【1.英文解説】Butter / BTS



Sec.1 読解


今回はBTSの「Butter」を訳していきましょう!
夏に聞きたくなるようなこの曲は、シングルの人気チャート「Billboard Hot 100」で7週連続1位を獲得した人気曲です。
SNSでもたくさんの踊ってみた動画などが上げられ、American Music Awardsでもフェイバリット・ポップ・ソング賞、最も好まれたポップソングに贈られる賞も獲得しました。

大人気のこの曲の歌詞はいったいどんなものなのでしょうか?
さっそくざっくりと読解していきましょう!




Smooth like butter

「バターのように滑らかにする」
「like」は「好む」の他にも「~のような」という意味や、話しているときに「なんかさ、」のような繋ぎの言葉としてもつかえる便利な言葉です。

Like a criminal undercover

「秘密の犯罪者のように」
「criminal undercover」はスパイだとか、隠れて犯罪をしている犯罪者のようなニュアンスです。

Gon' pop like trouble

Gon' (Going to) pop
「Gon’」は「gonna」の略で、さらに「gonna」というのは「going to」の略です。
「gonna」はカジュアルで口語的な略し方なので、フォーマルな場で使うことはあまりないかもしれません。

「Gon' pop」は「突然現れるつもりだ」
「pop」にはポンと弾けるような本質的なニュアンスがあって、「突然現れる」という意味を持つことがあります。

 like trouble
「トラブルのように」

Breakin' into your heart like that

 Breakin' (Breaking) into your heart
「into」は「in」と「to」を混ぜたような単語なので、“どこかから中に入る”というイメージをしてみましょう。
「Breaking (Break)」は「壊す」という意味なので、「Breaking into」は「侵入している」というような意味になり、どこに侵入するのかが「your heart(あなたの心)」です。

 like that
「そのように」

「that」は前のフレーズのことを指しているので、スパイや秘密の犯罪者のようにあなたの心に侵入しているよ、というような意味合いですね。

Cool shade stunner

「Cool shade」は「格好いいサングラス」という意味です。
「shade」は基本的には“日陰”だったり光を遮るものを意味するのですが、英語のスラングでは「サングラス」と訳すことがあり、「sunglass」と同じくらい使いますよ。

「stunner」は「素晴らしい」だとか「魅力的な人」のこと。
「サングラスをかけた魅力的な人」という意味の文になります。

I owe it all to my mother

「to」は“向き合っている”というイメージを持っていて、この文では「I owe it all」と「my mother」が向き合っているようなイメージです。

「I owe it all」は「私は全てその恩を受けている」、「全てそのおかげ」という意味で、「my mother」は「私の母」のこと。

サングラスをかけて、魅力的な人なのは「全て母のおかげ」という意味です。

Hot like summer

「夏のように熱い」

I'm making you sweat like that

「I'm making you」は直訳すると「私はあなたを作っている」となることから、“私”が“あなた”を「~している」と訳すことができます。
どうしているのかが「sweat」なので、「私があなたに汗をかかせている」。

「like that」をつけると「私はそんな風にあなたに汗をかかせている」となりますね。

Break it down

「Break it down」はそのままだと「分解する」だとか、かみ砕いたり壊れたりするような意味なのですが、特にヒップホップやラップのスラングで掛け声として使われています。
曲調が変わるときに使われるようで、曲調を壊すというようなニュアンスで使われているのかもしれませんね。

When I look in the mirror

「when」は「~する時」という意味です。
「I look in the mirror」は「私は鏡を見る」なので、つなげると「私が鏡を見るとき」となりますね。
「in」の本質は“中”なので、鏡に映っているものを見ているニュアンスになります。

I'll melt your heart into 2

「I'll(I will) melt your heart」は「私はあなたの心を溶かすだろう」。
「into 2」で「2つに」という意味になるので、この文は「私はあなたの心を2つに溶かすだろう」となります。

I got that superstar glow so

「I got that」は「私はそれを手に入れた」。
「that(それ)」の内容を具体的に説明しているのが「superstar glow」です。
「glow」には“光”という意味がありますが、ニュアンス的には内側から光っているような感じです。“shine”よりは柔らかい光のイメージでしょうか。

つなげると、「私はスーパースターの光を手に入れた」となり、最後の「so」は文脈から「だから」や「それで」と訳していいでしょう。
「so」はいろんな使いかたがあるので、文脈を見て判断するといいかもしれません。

Do the boogie like

「Do」は行動そのものを表す単語です。
「the boogie」は元々の「ブギウギを踊る」という意味から、「踊る」と訳したりするので、「Do the boogie」は「踊る」となります。
「like」は比喩の「like」で、これは次の「Side step~」の文にかかっています。

訳すと「こんなふうに踊ろう」というような感じでしょうか。

Side step, right-left to my beat

「Side step」はダンスの「サイドステップ」のことですね。
「ritht-left」は「左右に」だとか、「右に左に」といった意味があります。
「to my beat」は「私の拍子に」となるので、「私の拍子に合わせて左右にサイドステップ」というような意味になります。

High like the moon rock with me, baby

「High like the moon」は「月のように高く」
「rock with me」は「私とロックしよう」という訳になります。
「rock」は優しく揺り動かす様子を表す単語ではあるのですが、曲調やこれまでの内容からすると音楽のジャンルの「ロック」のことを言っていると判断できます。

最後の「baby」は親しい人や恋人への呼びかけです。

Know that I got that heat

「Know that」は「それを知っている」で、「that(それ)」の具体的な内容を説明しているのが「I got that heat(私はその盛り上がりを手に入れた)」です。
この“盛り上がり”は「熱量」と訳してもいいかもしれませんね。

まとめると、「私はその熱量を手に入れたと知っている」となります。

Let me show you 'cause talk is cheap

「'cause(because)」は「~だから」という意味なので、先に「talk is cheap」を訳しましょう。
訳としては「会話はちゃちだから」となり、ニュアンスとしては安っぽくて行動が薄っぺらいようなニュアンスがあります。

「Let」は「~させる」という意味です。強制的な感じはなく、自然と、したいようにさせるようなニュアンスを持っている言葉です。
「show you」は「あなたに見せる」なので、つなげると「あなたに見せてあげる」という訳になり、かつ、“やりたいからしている”という意味になります。

Get it, let it roll

日常会話でもよく使う表現ですが、「I get it / I got it」は「分かった」という意味になります。ニュアンスの違いはそれぞれありますが、だいたい「OK」と同じような意味ですね。

「始めよう」という慣用句に「Let's(Let us) roll」があります。なので、「let it roll」も同じように訳せるのですが、「let us」と「let it」では少しニュアンスの違いがあるように感じます。
「let's roll」が「始めましょう」なら、「let it roll」は「始めるぞ」という感じでしょうか。

Pull you in like no other

「Pull you in」は「とりこにする」、「like no other」は「何にもまして」という意味があります。
この文はそのまま「何にもましてとりこにする」となります。「何よりもとりこにする」でもいいでしょう。

Don't need no Usher

「Usher」というのはアメリカのR&B歌手で、代表曲には「U rimaind Me」や「U Got It Bad」があります。この次のフレーズには、この曲のタイトルをうまく歌詞にして組みこんであります。お洒落ですね!

この文の意味はというと、「Don't need(必要ない)」、「no Usher(Usherなしで)」。
否定を意味する「Don't」と「no」があるので、否定の否定=肯定?と思いがちですが、これは「Usherは必要ない」と訳します。
文法的には間違いかもしれませんが、スラング的な言い方でこのように使ったりするのです。印象としては少し口悪いかもなぁと感じる言い方でしょうか。

To remind me you got it bad

「To remind me」は「私に思い出させるために」
「you got it bad」の「bad」はスラングで「良い」や、「格好いい、素敵」など“cool”と似たような意味になります。つまり、この文は「あなたはいいものを持っている」と訳せるのです。
マイケルジャクソンの「BAD」も同じ使い方の「bad」でしょう。ひとつの単語が全く逆の意味で使われているのは不思議ですね。

Ain't no other

ここも「Ain't(am not)」「no other」で二回否定されていますが、訳は「他にはいない」です。
この「Ain't」は否定というよりも、「no」を強調しているニュアンスの方が大きいように感じます。
「(絶対に)他にはいない」や、他にはいないという自信があるような感じです。

That can sweep you up like a robber

「sweep up」は「抱き上げる」という意味があります。軽々と抱き上げるようなニュアンスで、それこそ「like a robber」、「泥棒のように」さっと抱き上げるイメージです。

訳は「それは泥棒のようにあなたを抱き上げることができる」となりますが、最初の「That」は「Ain't no other」を指しているので、「泥棒のように抱き上げることができるのは他には(絶対に)いない」という意味になります。

Straight up, I got ya

「Straight up」というのは「そのとおり」だったり「正直」や「まじで」というような意味のスラングです。
包み隠さずはっきり言うようなニュアンスがあります。

「I got ya」は「I got you」の口語的な書き方で、意味は「理解した」とか「任せて」です。
「I got it」との違いは使う間柄でしょうか。「I got you」は親しい友人などに対して使う非常にカジュアルな言い方だと思います。

Makin' you fall like that

「fall」は「落ちる」という意味から、「惚れる」と訳すことができます。「fall in love(恋に落ちる)」を略したような感じですね。
このことから「Makin' (Making) you fall」は「惚れさせる」と訳すことができます。
「like that」は「そんなふうに」です。

No ice on my wrist, I'm that nice guy

「ice」には「アクセサリー」という意味もあって、高価なもの、特にダイヤモンドを指す場合が多いです。雪と見た目が似ているからでしょうか?
なので「No ice on my wrist」は「私の手首には(高価な)アクセサリーはない」となります。

「I'm that nice guy」は「私はいい人(ナイスガイ)」ですが、「nice guy」は見た目よりも中身が素晴らしいという意味合いが強いです。

この文のニュアンスとしては、「高価なアクセサリーがなくても私は内面から素敵なんだ」となるのです。

Got the right body and that right mind

この文は「理想の体と理想の精神を手に入れた」
「right」の本質的な意味は「正しい」や「間違いない」なので、高価なアクセサリーがなくてもいいくらいの“体”と“心”がある、といったニュアンスです。

Rolling up to party got the right vibe

「Roll up」は「現れる」という意味です。
なので、この文は「望ましい気持ちを持ってパーティーに現れる」となります。
パーティに参加するのにバッチリな気持ちをもって、今会場に登場した様子がうかがえますね。

Smooth like butter, hate us love us

「Smooth like butter」は「バターのように滑らかに」
「hate us love us」はおそらく間に「and」か何かが省略されているのかと思います。
文脈的に「私たちが憎い人も、愛している人も」と訳していいのではないかなと思います。

Fresh boy pull up and we lay low

「Fresh boy」は直訳すると「新たな少年」ですが、「新人」だったり、歌詞の感じから「パーティに新しく来た男の子」と訳していいかもしれません。

「pull up」は「躍進する」や「前に出る」という意味がありますが、「出てこいよ」のようなちょっと相手を刺激するようなスラング的意味もあります。
「新しい人が出てきても、私たちはおとなしくする」という意味の文ですが、ニュアンス的には余裕があって、高みの見物をしているような感じがします。

All the players get to movin' when the bass low

「~するときに」を意味する「when」があるので、先にwhen以降の文を見てみましょう。
「when the bass low」は「かすかに低音がなるとき」や「低音がなったら」と訳せます。「low」には「かすかな」や「低い」という意味があって、「bass」は「低音」の他にも楽器の「ベース」という意味もあるので、このように訳していいと思います。

「All the players(全ての楽しみにふける人)」は「get to movin'(動き出す)」となるので、まとめると「低音がなったら全ての楽しみにふける人は動き出す」となります。
「players」は「楽しみにふける人」という意味を持ちますが、「プレイヤー」でも意味は通じるかもしれませんね。

Got ARMY right behind us when we say so

ここでも「when」があるので、先にwhen以降の文を訳してみましょう。
「when we say so」の「we say」は「私たちが言う」なので、最後の「so」は「そのように」と訳せそうです。
「私たちがそのように言うとき」となりますね。

「ARMY」はBTSのファンの人たちの呼び方です。
「right behind us」は「私たちのすぐ後ろに」、「get behind」は「支援する」や「後ろに回る」という意味があるので、「ARMYは私たちのすぐ後ろに回る」と訳せます。

Let's go

「Let's go」はよく教科書などにも出てくる「さあ行こう」ですね。
先の文と合わせると、私たちが「さあ行こう」と言うとARMYは後ろについてきてくれる、という意味になります。

And you know we don't stop

「And」は「そして」です。
「you know we don't stop」は“you know”と“we don't stop”の間の「that」が略されています。この文は主語が2つあるのでとても分かりやすいですが、内容の説明にあたる「that」は略してもだいたいOKです。

「you know (that)」は「あなたはそれを知っている」。
「we don't stop」は「私たちは止まれない」なので、この文をまとめると「そしてあなたは私たちが止まれないと知っている」となります。

Hot like (summer), ain't no (bummer)

「Hot like (summer)」は「夏のように熱く」
「ain't no (bummer)」は前に出てきたのと同じく、二回否定していますが「がっかりさせない」という訳で「ain't」は強調です。
絶対にがっかりさせない、がっかりさせない自信がある、というニュアンスになります。

You be like oh my god

「oh my god」はよく聞く驚きの表現ですね。
しかし、一部ではよく思わない人もいるので、使う場合は少し注意した方がいいかもしれません。
「Oh my」や「Oh my gosh」「Oh my goodness」を使うのが無難でしょう。

「You be like」の「be like」は「こういう感じ」のような意味のあるカジュアルな言い方です。
訳としては「“Oh my god”って感じになる」というような意味でしょう。

We gon' make you rock and you say (yeah)

「We gon' (gonna) you rock」は「私たちはあなたをロックさせるつもり」
この「rock」も“揺り動かす”のような意味ではなく、音楽的な「ロック」ですね。
「and」は「そして」、「you say (yeah)」は「あなたはyeahと言う」

音楽に乗せてyeahと叫ばせてやるよ!というニュアンスです。

We gon' make you bounce and you say (yeah)

こちらも先ほどと同じです。
「We gon' make you bounce」は「私たちはあなたを跳ねさせるつもり」
「and(そして)」、「you say (yeah)」「あなたはyeahと言う」という訳になります。

音楽に乗せて、跳ねて、yeahと叫ばせるよ、という感じですね。

Hotter? Sweeter! Cooler? Butter!

「Hotter?」は「もっと熱く」。最後がクエスチョンなのはオーディエンスに呼び掛けているからで、「もっと熱くなりたいか?」というニュアンスでしょう。
「Sweeter!」は「もっと甘く」「もっと甘美に」
「Cooler?」は「もっと格好よく」、最後はこの曲のキーワードの「Butter!(バター)」です。

単語を比較級にしているのは、単純に「もっと」という意味だけでなく、キーワードである「Butter」に合わせて韻を踏んでいるという意味合いもありそうですね。


Songwriters
Jenna Andrews/Rob Grimaldi/Stephen Kirk/RM/Alex Bilowitz/Sebastian Garcia/Ron Perry


まとめ


いかがでしたでしょうか?
全体的にスラングがかなり多く使われていったように感じますね。
とにかく自信に満ち溢れていて、音楽に乗って気持ちを解放していくような、かなりカジュアルな歌詞でした。

次回はこれを踏まえて和訳していきたいとおもいます!

分からないところや間違っているところ、リクエストなどもあればコメントにて教えてくださいね!

See ya!👋


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