Sec.1 読解
今回はAnna KendrickのCupsを読解していきましょう。
この曲は映画「Pitch Perfect」でAnna Kendricが演じる主人公のBecaがアカペラサークルのオーディションで歌った曲で、「Pitch Perfect 2」では焚火を囲んでサークルのメンバーで歌っていたり、シリーズを通して歌われる曲でもあります。
MVの監督も「Pitch Perfect」と同じJason Mooreが担当し、映画の中でペン立てを使ってリズムをとっていたのと同じようにMVでもコップでリズムを刻んでいます。
まるでカップゲームのようで、親しみやすいのでつい真似したくなりますね。
カバーするアーティストがいたり、US Billboard Hot 100にもランクインしたりと人気曲になったその内容はいったいどんなものなのでしょうか?
英語を日本語に訳すときの基本
本質とイメージをとらえれば英語は簡単になる!洋楽を例文として、ニュアンスや使い方を解説しています。
I got my ticket for the long way 'round
★ I got my ticket
「私は私の切符を買った」
★ for the long way 'round (around)
「for」は“目的にボールを投げた”というようなイメージを持ちます。
この文でいうと、「ticket(切符)」から「the long way 'round」にボールを投げたイメージです。
「the long way 'round」は「long way(長い道)」、「'round(周辺)」というそれぞれの意味から「遠回り」と訳すことができます。
つまり、“切符”から“遠回り”にボールを投げたような感じで、訳としては「遠回りの切符」となります。
イメージをつかめば簡単!【of / for / to】の違いとは?
【of / for / to】の使い分け方とは? 英語を勉強するときに、いろんな使い方や文法を覚えないといけなくて困ったり嫌になったことはありませんか?日本語を話す人が深く考えないで喋っているように、英語を話す人も深く考えないで喋っています。試験などの“勉強”としての英語は別として、日常会話などでの
Two bottle of whiskey for the way
「of」は“箱の中から取り出す”というイメージなので、「Two bottle of whisley」は「ウイスキーのボトル2つ」という意味になります。
その後の「for」は「whiskey(ウイスキー)」から「the way(道)」にボールを投げたイメージなので、訳としては「道のためのウイスキーのボトル2つ」です。
「道」というのは前のフレーズに出てきた「the long way 'round」のことなので、ニュアンスとしては「遠回りの長い道のりのために、ウイスキーボトルを2つ持っていく」というような感じです。
And I sure would like some sweet company
「And」は「そして」で、「would」は“想像”や“空想”のようなイメージを持ちます。
この文では「would」の後に「like some sweet company」と続いているので、「“いくらかの心地良い仲間のような”人がいたらなぁ」と想像しているような感覚です。
そこに「sure(本当に)」がついているので、訳としては「そして本当にいくらかの心地良い仲間がほしい」というような感じです。
ですが、そこには「心地良い仲間はここにはいないけど、いたらいいのにと本当に思ってる」というようなニュアンスを含んでいます。
“friend”も「company」と同じような意味を持ちますが、“friend”は特定の友達を指しているような感じがあるのに対して、「company」は「一緒にいると楽しい人」のようなニュアンスのある「友達」です。
「Pitch Perfect」に出てくるサークルのメンバーは“friend”であり、寂しいときに一緒にいてほしい「company」でもあるという感じです。
And I'm leaving tomorrow, what do you say?
★ And I'm leaving tomorrow
この文は「そして私は明日は出発する」という意味です。
「I'm leaving」の一番ポピュラーな訳は「私は出発している」のように、“今その状態にある”という意味なので、そこに「tomorrow(明日)」という未来を表現する言葉がつくと混乱する方もいるかもしれません。
ですが、例えばもう出発することが決まっていて、準備もしてあとは明日出発するだけのような状況のときは「I'm leaving tomorrow」で「明日出発する」と言うことができます。
「気持ちはもう出発している」というような感じでしょうか。
★ what do you say?
「あなたは何て言う?」
When I'm gone, when I'm gone
「gone」は「go(行く)」が変化した形で、「どこかへ行っていなくなった」というニュアンスを持ちます。
なので、この文は「私がいなくなったとき」という訳になり、また戻ってくるか、もう戻らないかは分からないニュアンスです。
You’re gonna miss me when I'm gone
★ You're (You are) gonna (going to) miss me
「miss」は「失敗する」や「逃す」のように、何かを“無くす”ようなイメージをもつ単語です。
直訳すればこの文は「あなたは私を逃すだろう」ですが、単語の持つイメージからこれは「あなたは私が恋しくなるだろう」と訳すことができます。
★ when I'm gone
意味は前に出てきたフレーズと同じ「私がいなくなったとき」ですが、英語と日本語では語順が違うので、このように文の途中に「when」が出てきたときは“when”以降の文を先に持ってきましょう。
まとめると「私がいなくなったとき、あなたは私が恋しくなるだろう」となります。
You're gonna miss me by my hair
「You're gonna miss me」までは前のフレーズと同じですが、この文には「by my hair」がついています。
「by」には「~に従って」という意味があるように、前の単語に従ってくっついているようなイメージを持つ言葉です。
この文でいうと「me(私)」に「my hair(私の髪の毛)」が従ってくっついているような感じです。
この“私”というのは「いなくなった私」のことなので、訳としては「あなたは私の髪の毛で恋しくなるだろう」というような感じです。
ニュアンスとしては、例えば「私の髪の毛に触れられなくなって恋しくなる」や「いつも近くで感じていた髪のにおいがしなくて恋しい」など、“私”がいなくなったことで「髪の毛」から感じていた何かしらのことを感じることができなくなり、それが「恋しい」という感じがあります。
You're gonna miss me everywhere
「あなたはどこでも私が恋しいだろう」
You're gonna miss me by my walk
「あなたは私の歩き方で恋しくなるだろう」。
これは「by my hair」と同じで、例えば“私”と同じような歩き方をしている人を見かけて恋しくなるだとか、歩き方を思い出して恋しくなるようなニュアンスを持っています。
You're gonna miss me by my talk
「あなたは私の話し方で恋しくなるだろう」
The one with the prettiest of views
★ The one with
「The one」とは何か特定のひとつのことをさしています。
重複になるので解説では省いていますが、歌詞ではこのフレーズの前には「I got my ticket for the long way ‘round(遠回りの切符を買った)」とあるので、この「The one」というのは「遠回りで出かけること」をさしています。
「with」は手をつないで一緒にいるイメージを持つ単語です。
この文で言うと、「the one」と「the prettiest of views」が手をつないで一緒にいるイメージです。
★ the prettiest of views
「of」は箱からものを取り出すイメージの言葉なので、「the prettiest of view」は「views(景色)」から「prettiest(一番すてきな)」を取り出すようなイメージです。
なので、「the prettiest of views」は「一番すてきな景色」となり、これが「遠回りで出かけること」と手をつないでいる、ということです。
訳としては「一番すてきな景色と」ですが、ニュアンスとしては「一番すてきな景色を見ながら遠回りで出かける」というイメージの文です。
It's got mountains, it's got rivers,
★ It's (It has) got mountains,
これは「それは山を持っている」という意味で、「has got」は「has (have)」の口語的な表現です。
意味としては「have」と変わらないのですが、強いて言うならアメリカよりイギリス英語で使われているイメージがあります。
★ It's (It has) got rivers
こちらも同じで、「それは川を持っている」。
“一番美しい景色”は、山もあって川もあるという文で、「mountains」・「rivers」からその山や川はひとつではないということが分かります。
it's got sights to give you shivers
「to」はお互いに向き合っているイメージを持つ単語で、この文では「sights(景色)」と「give(与える)」が向き合っている感じです。
「give」というのは細かく言えば「give you shivers(震えを与える)」のことなので、この文は「それは震えを与えるための景色を持っている」、つまり「それは震えるほどの景色」という訳になります。
But it sure would be prettier with you
「But」は「しかし」で、「would」は“想像”や“空想”のようなイメージを持ちます。
「be」は存在そのもの、「with」は手をつないでいるイメージの単語なので、“would”の後に続いている「be prettier with you」は「あなたが一緒だとよりすてきになる」というような意味になります。
訳としては「しかしそれは本当にあなたが一緒だとよりすてきになるだろう」で、“そうなったらいいなぁ”と想像しているニュアンスがある文です。
SongwritersA. P. Carter/Luisa Gerstein/Heloise Tunstall-Behrens
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「of / for / to」のような、イメージすることが重要な単語がよく出てきましたね。
辞書でひけばいろんな意味が出てきて、もしかするとこれも英語が難しく感じる理由のひとつかもしれないなぁと思うのですが、実はそれぞれのコアとなるイメージはひとつなのです。
それさえしっかりつかめていれば、辞書に載っている意味を全て覚えていなくても日本語に訳すことはできます。
辞書に載っている意味は、「こういうパターンがあるよ」とまとめてくれているものなのです。
では次回は、今回読んだ内容をふまえて和訳としてまとめていきましょう!
間違っているところや分からないところ、リクエストなどもあればコメントやTwitterにて教えてくださいね!
See ya!👋

【2.和訳】Cups / Anna Kendrick
Sec.2 和訳 今回は、前回読んだ内容を踏まえて“和訳”としてまとめていきましょう。「景色」という言葉が出てきたのもそうですが、そもそもイメージすることが重要な単語もよく出てきたので、そのイメージをどう日本語にするのかがポイントかなぁと思いました。まだ【1】を見ていない方がいれば、ニュアンスも含め
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