【1.読解】Heat Waves / Glass Animals



Sec.1 読解


今回はGlass Animalsの「Heat Waves」を読解していきましょう!

この曲はBillboard Hot 100にランクインしたあと、徐々に順位を上げて全米1位になったヒット曲です。
この記事を書いている時点では63週連続でチャートインしていて、この理由をDave Bayleyは「この歌は思い出について書いた曲で、思い出は冬により一層感じる。おそらくそれが理由の一部だ」と語っています。

長く、じわじわと聞く人の心に染み続けているこの曲の内容はいったいどんなものなのでしょうか?
一緒に読んでみましょう!




Road shimmer

「道路は揺らめく」

「Road」は“道”とも言えますが、同じような意味を持つ“way”は「Road」よりももっと幅広く、気持ちの方向などの目に見えない“道”にも使えます。

Wiggling the vision

「小刻みに動く幻」

「vision」は「視覚」が基本的な意味なので、この「幻」というのは道路がキラキラ光って揺らめいているのが、揺れて何かの幻のように見えているニュアンスです。

Heat heat waves

「熱くなる熱波」

「熱波」というのはその名の通り、熱い空気が波のように押し寄せてくる現象のことです。

I’m swimming in a mirror

「私は鏡の中を泳いでいる」

この曲のMVは道路を歩いている姿が印象的ですが、熱波で道路が熱くなり、太陽で光って揺れて鏡のようになっているところを歩いている様子がうかがえます。

Sometimes, all I think about is you

Sometimes,
「ときどき」

 all I think about is you
「私が考える全ては君のこと」

この文は「all I think about you」と言い換えることもできますが、「about is you」の方が「you(あなた)」に焦点が当たっている感じが強い言い方です。

Late nights in the middle of june

「in」は“中”というイメージを持っています。
この文では「Late nights(深夜)」が「the middle of june」の“中”にあるイメージです。

また、「middle of june」の「of」は“箱からものを取り出した”イメージです。
「middle(真ん中)」という“もの”を「june(6月)」という“箱”から取り出したイメージなので、「6月の中頃」という意味になります。

つまり「6月の中頃」の“中”に「深夜」があるということなので、この文は「6月中頃の深夜」という訳になります。


Heat waves been faking me out

「熱波が私の裏をかく」

「been」は“今に影響する過去”を意味しているので、過去に起こった熱波が今の“私”に影響をしているというニュアンスになります。

熱波で道路が揺らめいて見せた幻は、自分が思っていたものと違うような、見たくなかったもののような感じでしょうか。


Can’t make you happier now

「make」の本質的な意味は「作る」で、そのまま訳してみると「今は君をより幸福に作れない」という意味になります。
「より幸福に作る」は、言い換えると「より幸福にする」となることから「make」は「~の状態になる」とも訳すことができます。

なので、この文は「今は君をより幸福にできない」という意味です。

Usually I put

「put(置く)」も“make”と同じように、本質的なニュアンスは残したまま文脈によって違う訳になりやすい単語です。

ひとまず、そのままの意味の「いつもは私は置く」としておきましょう。

Something on TV

「on」は“上に乗っている”というイメージを持つので、これは「何かをテレビに」となります。

前のフレーズと合わせると「いつもは私は何かをテレビに置く」というような意味になりますね。
そのままの意味で“テレビの上に何か置いた”とも取れなくはないですが、「on」はあくまで“上に乗っているイメージ”なので、その場合は「I put something on top of TV」などのように“上に”という表現をつける方が自然です。

テレビはスイッチを入れて番組などを見るためのものなので、「何かをテレビに置く」というイメージは「何かをテレビで流す」のような意味になります。

So we never think

「それで私たちは決して考えない」

何でもいいからテレビをつけていると、何も考えなくていいというようなニュアンスです。

About you and me

「君と私について」

But today I see

「しかし今日は私は見える」

Our reflections

「私たちの反射」

自分たちについて考えないためにつけているテレビに、今日はまるで自分たちのような姿が映し出されている様子を言っています。

Clearly in hollywood

「in」は“中”というイメージなので、「アメリカ映画にはっきりと」という訳になります。

「hollywood」は映画の中心地であることから、「アメリカ映画」という意味で使われることもあります。
ハリウッド映画で活躍する役者を、「ハリウッド女優」や「ハリウッド俳優」と言ったりするのと同じような感じです。

Laying on the screen

ここで使われている「on」も「Something on TV」と同じ考え方で、「画面に横たえている」という訳になります。

You just need a better life than this

「just」の本質は「ちょうど」や「ぴったり」のような意味で、そのまま訳すと「君はちょうどこれよりもいい人生が必要」となります。
これではちょっと日本語が変なので、このニュアンスを残したまま言い換えると「君はただこれよりもいい人生が必要」が適切な感じがします。

辞書で「just」を調べると「ただ」という意味も載っていますが、辞書に載っている意味はこのように“本質的な意味を文脈に合わせて言い換えると、こういうパターンがあるよ”というものです。
知らない単語を調べるときには、“本質は何なのか?”を意識してみると意味を全て覚えなくても理解できるようになりますよ!

You need something I can never give

 You need something
「君は何かを必要とする」

 I can never give
「私が決して与えられない」

こうして区切って考えてみると、この文は1つの文の中に2つ文があるように見えますね。
これは本来「You need something」と「I can never give」の間にあるはずの「that」が省略されているからです。

こういった使い方をする「that」は、会話の中では特に省略されることがよくありますよ。


Fake water all across the road

「Fake water」は直訳すると「偽物の水」で、「逃げ水(road mirage)」という蜃気楼の一種です。
暑い日の道路に水があるように見える現象で、近づいても逃げていくように見えることから“逃げ水”と呼ばれています。

訳は「逃げ水が道のいたるところ全てに」となります。

It’s gone now the night has come but

 It's (It is) gone now
「それは今なくなった」

 the night has come but
「夜が来たけど」

単純な「the night came(夜が来た)」は“過去のある一点”に夜が来たことを言っているのに対して、この「the night has come」は“過去のある一点からずっと”夜が来ているようなニュアンスを持ちます。
日本語に訳すと2つとも同じになってしまいますが、日が暮れてきて、暑さが和らいで、家に明かりがついて…というのを感じさせる「夜が来た」です。

You can’t fight it

「君はそれに対抗できない」

You can’t breathe

「君は息ができない」

You say something so loving but

「君は何かとても愛情あふれることを言うけど」

Now I ’ve got to let you go

「I've」は「I have」を省略した形で、「have got to」は「~しなければならない」という意味になります。

「to」は“向かい合っている”イメージを持ちます。
この文で言うと「got(得た)」と「let you go(君を行かせる)」が向かい合っているイメージなので、「あなたを行かせることを得た」となります。
それは「君を行かせる状態にした」とも言えますね。

少し説明が難しいですが、「君を行かせる状態」を「have(持つ)」というイメージから、「have got to」は「~しなければならない」という意味になります。

訳は「今私は君を行かせないといけない」で、「離れないと行けない」ともいうことができます。

You’ll be better off in someone new

「You'll」は「You will」を省略した形で、「be」は“存在そのもの”を意味するので、「You'll be better」は「君はより良い存在になるだろう」、つまり「君はより良くなるだろう」という意味になります。

そして、この「better」には“離れる”というイメージを持つ「off」がついているので、訳としては「君は新しい誰かの方がもっと良くなるだろう」、“今の状況から離れて、新しい誰かの方が良くなるだろう”というニュアンスを持った意味の文になります。


I don’t wanna be alone

「wanna」は「want to」の口語的な言い方なので、「私は孤立したくない」という意味になります。

You know it hurts me too

 You know
君は分かる

 it hurts me too
それが私にも苦痛を与える

この文も「You need something~」と同じように「that」が省略されているのがよく分かりますね。
まとめると、「君はそれが私にも苦痛を与えると分かる」となります。

You look so broken when you cry

 You look so broken
「君はとても打ちひしがれて見える」

 when you cry
「君が泣くとき」

One more and then I’ll say goodbye

「I'll」は「I will」を省略した形なので、「もう一度そしてそれから私はさようならと言うだろう」という訳になります。

離れなければいけないと思いながらも、自分も孤独にはなりたくない。
“君”が愛情あふれること言ったり、打ちひしがれたように泣いているので、もう一度だけ愛情を見せてからお別れをしよう、というような文です。

I just wonder what you’re dreaming of

 I just wonder what
「what」はひとまず「何」として訳してみると、「私はただ(何)を思い巡らす」となります。

 you're (you are) dreaming of
「何」にあたるのがこの文です。

「of」は“ボールを投げた”というイメージを持ちますが、「dreaming(夢を見ている)」がボールを投げた目的が書いてありません。
なので、これは「君がどんな夢を見ているか」というように、“分からない”というものにボールを投げたようなイメージをしてみるといいでしょう。

まとめると「私はただ君がどんな夢を見ているか思い巡らす」となります。

When you sleep and smile so comfortable

「君が寝ながらとてもくつろいでほほ笑むとき」

I just wish that I could give you that

 I just wish that
私はただそれを願う

 I could give you that
「could」は文脈によって“未来と過去の可能性”を意味します。
「could」を抜いた文、「I give you that」を訳してみると、「私はそれを君に与える」となるので、ここでは“未来の可能性”を意味していると判断できます。

なので、この文をまとめると「私はただそれを君に与えることが出来たならと願う」というような、“そう出来る未来があったらよかったのに”と願っているニュアンスがある文になります。

That look that’s perfectly unsad

「unsad」というのは、「sad(悲しい)」に“その逆”のような意味になる「un」がついたものなので、「悲しくない」という意味になります。

「それは完全に悲しんでいないように見える」という訳で、単純に“sad”の逆の意味である“happy(幸福な)”を使うよりは、打ちひしがれたように泣いていたなどの背景が見えるような感じがする文ですね。


Songwriter
Dave Bayley


まとめ


いかがでしたでしょうか?
内容としては2人の別れの曲ではあるのですが、使われいる言葉にどこか温かみがあるというか、おそらく別れることを決めるような喧嘩だったり、争うようなことはなかったのではないかなという感じがしました。
また、前半は特に“文”というよりは“詩”のような感じがするのも特徴的だなと思います。

では次回は、この内容を和訳としてまとめていきましょう!
間違っているところや分からないところ、リクエストなどもあればコメントやTwitterで教えてくださいね!

See ya!👋

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