【1.読解】Love On Top / Beyoncé



Sec.1 読解


今回はBeyoncéのLove On Topを読んでいきます。

言わずと知れた歌姫Beyoncé、アルバムからシングルカットされたこの曲はMTV Video Music Awardsで歌唱した際に妊娠の発表をしたことをきっかけに世界でヒットしました。

MVの冒頭からダンスやその表情にも魅了されますが、さらにBeyoncéのすごさを実感するのはラストに向けてどんどん転調してキーが高くなっていくものの、その歌声の力強さは変わるどころかどんどん力強くなっているようにも感じるところです!

では、その歌詞の内容を読解していきましょう。



Honey, honey

「Honey」は「蜂蜜」という意味ですが、恋人や夫婦の呼びかけに使われる言葉です。
小さい子供に対して親が使うイメージもありますが、主に女性へと使われる印象が強いですよ。

I can see the stars all the way from here

I can see the stars
「私は星を見ることができる」という意味です。
“stars”となっているので、たくさんの星が見えているという様子がうかがえます。

★ all the way from here
これは前の文を補足しているような意味合いがあります。
「all the way」は「全ての道」、「from here」は「ここから」というような意味なので、直訳すると「ここから全ての道」となりますね。

つまり、“ここ”からありとあらゆる全部の道に星が見えるというニュアンスです。

Can't you see the glow on the window pane?

★ Can't you see the glow
これは「あなたは柔らかな輝きを見ることができる?」という意味です。
“see”と同じような意味を持つ単語はいくつかありますが、“see”は意識している・していないに関わらず「視界に入った」ときに使います。
また、「I see(なるほど)」のように、相手の言っていることが“見えた”という意味でも使えますよ。

★ on the window pane
“the glow”を補足しているのがこの文で、「window pane」というのは「枠のある窓」のことです。
「on」は上に乗っているようなイメージを持っているので、窓の上に柔らかい輝きがある、つまり窓越しに星空を見ている感じになります。

I can feel the sun whenever you're near

★ I can feel the sun
これは「太陽を感じることができる」

★ whenever you're near
「whenever」は「when(~するとき)」を強くしたような、「when」と「ever(いつも)」を足したようなニュアンスの言葉です。
「you're (you are) near」は「あなたが近くにいる」という意味なので、これは「あなたが近くにいるときはいつも」という訳になります。

Every time you touch me I just melt away

★ Every time you touch me
「いつもあなたが触る」

★ I just melt away
これは「私はただ溶けてなくなる」というような意味です。
“just”にはいろんな意味がありますが、基本的には「ちょうど」というニュアンスの単語なので、「ちょうど溶けてなくなる」という訳を基本にして、文脈に合う日本語をいいかもしれません。

実際に会話しているのであれば違和感はあまり感じませんが、文字でパッと見ると「なぜ1つの文に2つの文があるの?」と感じる方もいるかもしれません。
これは、「~you touch me」と「I just~」の間にあるはずの「when」が省略されているからなのです。

同じように、2つの文をつなぐ使い方をする「that」も省略されることがあります。
「when」と「that」は意味は違いますが、使い方としては同じなので、詳しくは下記の記事を読んでみてくださいね!


Now everybody asks me why I'm smiling out from ear to ear

★ Now everybody asks me why
ここで使われている「why」は、本質的には「なぜ」という意味があります。
ひとまず、そのまま訳してしまいましょう。
するとこの文は「今あらゆる人は私に(なぜ)と尋ねる」となります。

★ I'm smiling out from ear to ear
前の文の「なぜ」の部分を具体的に説明するのがこの文です。
「smiling out」というのは外(みんな)に向けて微笑んでいるイメージ。
「from ear to ear」は「口を大きく開けて」という訳になるのですが、微笑むときに口角をキュッと上げることを想像してみてください。
左右の口角を「from ear(耳から)」「to ear(耳まで)」、そのくらい上げているというイメージからこういった訳になります。

この文はまとめると、「今あらゆる人は私に私が口を大きく開けて笑っているのはなぜか尋ねる」というような意味になります。

 (They say love hurts)

「They say」は「彼らは言う」「love hurts」は「愛は苦しい」や「愛は痛い」というような意味です。

愛はつらいもので、“私”のように微笑んだりできないよ、と彼らは言っているような感じですね。

But I know

「でも私は知っている」

 (It's gonna take a real work)

★ It's (it is) gonna (going to) take
これは「それは取ることになっている」というのが基本的な意味です。
“take”は“取る”を本質的な意味として、文脈によって「選ぶ」や「引き受ける」などに変わるのでイメージして日本語訳を考えていきましょう。

★ a reak work
直訳すると「本物の仕事」というような意味になります。
“仕事”という意味を持つ単語は他に“job”がありますが、“job”会社員や医者のように限定的で、給料が出るような“仕事”のことを言います。
「work」はもっと意味が広く、“home work(宿題)”のように“働く”という行動全般のこと、何かの目的のために動くようなことを言うときに使います。
このイメージから、「real work」というのは「本物のやるべきこと」と言うこともできますね。

つまり、この文は「それは本物のやるべきことを取ることになっている」という意味になります。
「それ」とは「愛」のことなので、「取る(take)」は「引き受ける」というような意味になりそうですね。

「愛はつらいものじゃなくて、人を笑顔にするような本当にやるべきことをするものだよ」というようなニュアンスの文です。

Nothing's perfect,

「Nothing's」は「Nothing is」の略で、「is」は存在そのものというニュアンスがあります。
「Nothing」は「ゼロ個のもの」というような意味があるので、「ゼロ個のものが完全」というニュアンスから「完全なものはない」と訳すことができます。

but it's worth it after fighting through my tears

★ but it's (it is) worth it
でもそれはその価値がある」。

★ after fighting
「after」は“何かの後”というような意味を持つので、これは「喧嘩の後」という訳です。

★ through my tears
「through」は「~を通って」や「経験して」のようなニュアンスをもつ単語です。
なので、「through my tears」は自分の視界に涙がたまっていて、“私の涙を通して”ものを見ているイメージから「涙を浮かべる」や「涙を流す」というような意味になります。

「それはその価値がある」の「それ」は「喧嘩の後で涙を流す」ことを指しているので、まとめると「喧嘩の後で涙を流すこともその価値がある」という訳になります。

And finally you put me first

★ And finally
「そして最終的に」

★ you put me first
直訳すると「あなたは私を一番目に置く」で、言い換えると「あなたは私を一番にする」という意味になりますね。

Baby it's you.

「Baby」は「赤ちゃん」という意味ではありますが、この曲の歌詞の一番最初に出てきた「Honey」と同じように、恋人や親しい人に対する呼びかけにも使われる言葉です。

★ it's (it is) you
「それはあなた」

ここまで語られてきた“愛”、笑顔になるような、喧嘩にも価値があって“私”を一番にする“愛”は「あなた」のことというニュアンスです。

You're the one I love.

★ You're (You are) the one
「one」は数字の1のことですが、「You're」があるので「(1人の)人」として考えましょう。
あなたは(1人の)人という意味になります。

★ I love
どんな“人”なのかが私が愛する

まとめると「あなたは私が愛する人」という意味です。

You're the one I need.

こちらも前のフレーズと同じで、「あなたは私が必要な人」

You're the only one I see.

この文も前のフレーズと同じですが、「only(たった~だけ)」という単語があるので「あなたは私が見るただ一人だけの人」となります。


Come on baby it's you.

「Come on」は「おいで」というような意味ですが、言い方などによっていろんな意味を持たせることができます。
「(どこかからこちらに)おいで」というニュアンスの言葉なので、例えば“不安な状態から平常心に戻っておいで”という意味で「頑張れ」となったり、“気絶という状態から現実に戻っておいで”という意味で「しっかりしろ」という感じです。

この文では単純に「おいで」ともとれそうですし、“気持ちを一緒にしよう”というような「さあ」ともとれそうです。

You're the one that gives your all.

★ You're (You are) the one that
先に出てきたフレーズとほとんど同じですが、文中に「that」がありますね。
ひとまずそのまま「それ」として訳してみるとあなたはそんな(1人の)人」となります。

★ gives your all
「that」の内容を説明しているのが後に続いているこの文です。
あなたの全てを与える」、つまり、まとめると「あなたはあなたの全てをくれる人」という訳になります。

You're the one I can always call.

★ You're (You are) the one
ここまでは今までにいくつか出てきたのと同じですね。
「あなたは(1人の)人」です。

★ I can always call
これは「私がいつも呼び出せる」という意味です。

When I need you make everything stop.

★ When I need you
私があなたを必要とするとき」。

★ make everything stop
「make」は本質的には「作る」という意味の単語ですが、“その状態を作る”というニュアンスから「~の状態にする」と訳すことができます。
これは「everything stop(全てのものを停止させる)」という状態を作る(make)ということなので、まとめると「私があなたを必要とするとき、全てのものを停止させる」というような意味になります。

Finally you put my love on top.

考え方としては「And finally you put me first」の時と同じです。
この文では“me”が「my love(私の愛)」になっていて、「first」が「on top」に変わっています。
“on”には上に乗せるようなニュアンスがあるので、「最終的に私の愛を頂上に置く」となり、そこには“あなたは私の愛を何よりも大事にしてくれる”というようなニュアンスを持ちます。


Songwriters
Beyoncé Knowles/Terius Nash/Shea Taylor


まとめ


いかがでしたでしょうか?
難しい言葉はほとんどなかったと思いますが、“愛”について深く感じることができるような内容だったかと思います。
イメージすることと本質を見ることが大切で、難しいことは言わなくても基本的な言葉、基本的な使い方でちゃんと気持ちは伝えられると改めて思いました。

次回はこの内容をふまえて和訳をしていきましょう!
間違っているところや分からないところ、リクエストなどもあればTwitterやコメントにて教えてくださいね。

See ya!👋

【2.和訳】Love On Top / Beyoncé

【2.和訳】Love On Top / Beyoncé

Sec.2 和訳 今回は【Sec.1】の続きで、BeyoncéのLove on topを和訳としてまとめていきましょう!使われている単語自体は簡単だったので、英語が含んでいるニュアンスをどう表現するかで和訳する人それぞれの違いが出てきそうな感じがしました。個人的には、そういうところが楽しみかなぁと思

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